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090923
090817
090421
「狐 〜 こころ」
*
「藍様ったらずいぶんですね」
「ずいぶんかな」
「ずいぶんですよ」
#3
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「狐 〜 それから」
主は元日にちょっと起きて餅を三つ喰い四つ目を口に入れたまま布団に戻って冬眠を再開したのだがそれから鼾ひとつ聞こえない
#2
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211027
#2
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「ファラウェイ」
BGM
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そして
月の光を浴び黒々と広がる血の海を狐はぴょんと跳び越える
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090926
#2
形も心も物語さえも朧な夕まぐれ
背中の店屋の暖簾を透かして狐の影がはらりと流れる
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「式 〜 豆腐屋の嫁候補」
いつもあぶらげとかおまけしてくれるし
なんか気に入られちゃってるなぁ … とは思ってたけど
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式とヴァンパイア 1929 Graubunden
090407/0417/0419のつづき
txtのみ / 絵は削除
*
「つぅ」
平素なら渋いバリトンを響かせるはずの声は
「つまりですね … 」
紅い瞳をあらぬ方へ泳がせても
「これは、あー … 要するに、こほっ」
咳払いをしても
「… あ、あー、プ … プっ、プロポォズゥッですぅっ !!」
ムーンサルトのごとく捻転し
「けこんしてくださいっ ! どかわたしのつまにぃぃなてくださいっ ! おねがいしますうぅぅぅぅ〜っ !」
こうなったらもう破れかぶれとばかりの凄まじい足捌きは狂気のフナムシとなって右肩上がりの急坂を転がり落ちる勢いで駆け上がる
「やだ」
信じ難い見ものだった
ヴァンパイア本家の次期当主
一族の次期総帥
つまりは
西の全ての妖の王
そんな
貴種の中の貴種ともいえる男が
額に汗を浮かべ青白い頬を桜の色に染め ?
緊張に声を裏返らせ ?
骨の髄まで浸み込んでいるはずの優雅な所作を放棄して ?
そーまでして
捧げ差し出した
愛を
青金の瞳瞬きひとつせず
「やだ」の二音一言で撥ね退けたは我らが金毛九尾ノ狐じゃ !
天晴れっ !
*
「け … けんもほろろ」
「笑ったわぁ … あのときは笑った」
「いっしょにスキマから覗いてたあっちの当主様までひぃひぃ笑ってましたもん」
「途中まではそんなに悪くはなかったんだけどねぇ」
「ほほえましいっていうか、意外に可愛いとこあるじゃんって感じで」
「『ああ … ママの襟巻きと同じ匂いだ』は … いくらなんでも」
「あの瞬間に醒めました」
「私はスキマから転げ出そうになった」
「当主様は顰め面で首振ってるし」
「これが大将になったらヴァンパイアも終わりだと思いましたよ」
『思った思ったあはははは』
スキマと狐と黒猫が声を揃えて笑った
「はは … ほんと終わっちゃいましたね」
『え ? 』
スキマと狐と黒猫が揃って阿求を見た
「ん ? … 終わったんじゃないんですか ? 」
『ん〜ん』
スキマと狐と黒猫が揃って首を振った
『おわってないおわってない』
「え ? 」
口元に湯呑をあてたまま
阿求はスキマと狐と黒猫の顔に視線を流す
「だって」
黒猫、狐、スキマ
スキマ、狐、黒猫
「え ? あれ ? あの紅い家の方々はあっちがわに居場所がなくなって … それで」
阿求
黒猫
スキマ
阿求
スキマ
スキマ
狐
阿求
「じゃないんですか … ? 」
スキマ
狐
スキマ
狐
黒猫
狐
スキマ
「じゃないのよぉ … ん〜 … 」
胡散臭さ満点の物思い顔で言葉を途切らせると
ずず〜っ
八雲紫は美味そうに茶を啜った
090124
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#5
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